2021/01/07

いらない何も、捨ててしまおう
(from LOVE PHANTOM)

年越しの「謎イベント」は都市伝説なのか?

今から30年ほど前に日本でも公開された映画「ニューシネマパラダイス」のワンシーンで、イタリアの年越しの様子を表現していました。

自分自身その頃はまだ大学生でもあり日本に住んでいたのですが、このシーンを見た時「一体何が起こってるのか」意味がわからず、目が点になったのをよく覚えています。

イタリアでは大晦日の夜に家族でご馳走を食べ、あるいは若者同士では一緒に外に出かけ、年越しのカウントダウンで新年を迎えるという過ごし方をしています。「邪気を払う」という意味合いで爆竹を鳴らし花火を打ち上げる、と言う定番の年越しなのですが、南イタリアはもうひとつ、他の都市にはないイベントがあると言うことなんです…。

「新年を迎えるにあたり、古いものは持ち越さない」という考え方。

カウントダウンがゼロになった瞬間に、家にある古いものを捨てるという習慣。

日本でも年末に大掃除をして「今年の汚れ今年のうちに!」と言う考えがあります。断捨離をしていらないものを捨てている人もいるかも知れません。しかし恐ろしいことに南イタリアの違う点は、本当に窓からモノを放り投げてしまうということ。高層階に住む住民までもが気にせずに。

しかし実際イタリアに住んでみて25年過ぎても、年越しの瞬間に窓から物を捨てると言う光景はみたことがありませんでした。映画「ニューシネマパラダイス」は第二次世界大戦終戦直後のシチリア島を描いております。もう70年も前の話ですから、こんな事は「都市伝説」であろうと思っていた矢先、南イタリアのターラントでは窓から大型冷蔵庫を落としている動画が、新年早々大炎上していました。

コレには目が点。色んな意味で北と南には大きな隔たりが未だ存在している気がしました。

年末年始の過ごし方

イタリアのコンテ首相はクリスマスと新年の休暇の大半に全国で都市封鎖を導入すると発表しました。年末年始の会食による感染再拡大を食い止める狙いでした。

今回は全国統一での都市封鎖、日によって行動制限が異なります。イエロー、オレンジ、レッドと段階的に厳しくなり、レッドの日は飲食業などは全面的に閉鎖、外出は仕事による必要な移動のほか、通院や緊急の場合のみ許されます。コンテ首相は「専門家は、クリスマスの間に感染者が急増するのではないかという深刻な懸念を持っている。簡単な決定ではなかった」と国民に理解を求めました。

夜間外出禁止令はそのまま継続されているので22時以降は外出できません。したがって罰金を覚悟してまでカウントダウン「ゲリラ花火大会」なんてしないだろうと思っていましたが、蓋を開くとこんな感じでした。
capodanno
(動画・自宅のベランダから撮影)

2021年イタリアのワクチン接種スケジュール

ロンバルディア州のワクチン接種に関して公式に発表されました。場合によってはその都度変化する可能性もありますが、今の所の予定です。

ロンバルディア州内には65カ所、ワクチン接種の中心となるハブを設け、そこを拠点として150ヶ所の接種施設、高齢者養護施設などへ供給してきます。1日あたり1万回分が用意されて、1万5000回分までの供給を目指していきます。

接種対象者は4グループに分かれます。

第1グループ(1月~3月)
医療従事者と病院のスタッフと介護スタッフ、養護施設や高齢者施設の入居者とスタッフ。
80歳以上の高齢者。

第2グループ(4月~6月)この時点で人口の15%
重症となるリスクの高い人、免疫不全、基礎疾患、虚弱。
60歳以上。
学校関係者と教師。

第3グループ(7月~9月)この時点で人口の50%
学校関係者、一般的な労働者(スーパー、薬局、運送など)。
執行機関、教師と学校職員、重要な公共サービスプロバイダー、地元の公共交通機関の運営者、刑務所職員など。

第4グループ(10月~12月)*自分はここに入ります。
それ以外の人。

イタリアのワクチン接種は年内に終了する事を目指し、無料で誰でも受けられます。接種の義務はないので拒否することもできます。イタリア国民はもちろん、イタリア在住の外国人も同じ権利を有します。

ファイザー社製のワクチンを接種した時、最も一般的な副反応として、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感、関節・筋肉の痛み、接種箇所の痛み、皮膚の発疹があります。しかしこれらの副反応は、免疫系がうまく機能していることを示す症状となっています。副反応は免疫学的効果であり、副反応が出るのは通常55歳未満です。若い人ほど免疫システムが強いので、たとえ高熱が出たとしてもそれは、免疫システムがウイルスに対して攻撃をする準備をしていることを意味します。

2020年は忘れましょう!

昨年の大晦日に掲載されていた記事です。

「コロナ時代に最適なホテル、イタリアで偶然誕生」
https://www.cnn.co.jp/travel/35164029.html

久しぶりの明るいニュースで、新しい時代に合わせた旅のスタイルを提案しています。
※編集部注:アルベルゴ・ディフーゾについては、Tutta Italiaでも積極的に紹介をしています
https://www.tutta-italia.com/adi2017/

私たち現地の人間もコロナ時代にあったアイデアを考えていかなければなりません。

「目が前向きについているのはなぜだと思う?前へ前へと進むためだ!ふりかえらないで、つねに明日をめざしてがんばりなさい。」

この名言は、のび太が通う小学校の担任の先生がのび太に言った言葉です。

前向きに生きる姿勢の大切さ、自らの意思で変えることが出来るのは、自分と未来だけ。

自分を変え、そして未来を変えるために明日を見据えて、前向きに進むことの大切さを説いた心に響く名言です。

(ミラノ 川倉靖史)