年末年始のイタリア
イタリアのコンテ首相は12月3日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、年末年始の規制を発表しました。仕事などの理由を除き12月21日から1月6日までは州をまたぐ移動を禁止とし、クリスマス当日や元日は市町村間の移動も認めない。友人らを自宅に招かないようにするなど、国民に理解を求めました。
現在、感染状況に応じて各州をリスクが高い順にレッド・オレンジ・イエローの3つに色分けして対策を変えていますが、クリスマス前にはすべての州を規制が最も緩いイエローにすることができるとの見解を示しました。しかし一番規制が緩いイエローゾーンですら、飲食サービスのクリスマスの営業はランチのみとなっています。
もはや、このような新しい首相令に対して特に混乱することもなく何となく皆、「覚悟」していたこととも思われます。また気分的にも今年はお祝い気分ではなく、静かな年末年始を迎えるのではないでしょうか。手放しにイエスキリストの誕生を祝うと言うより、多くの死者への弔いの気持ちがそれぞれの国民にあるような気がします。
希望の光としてのクリスマスツリー
ミラノ市内では毎年恒例のクリスマスマーケットなどは開催されず、派手なものは何一つありませんが、せめてもの救いとしてクリスマスツリーの展示は各所で行われています。クリスマスツリーとキリスト教はもともと無関係ですが、主なる神がやがて来るメシアを送り、救いに導いてくれることを待望している象徴でもあります。
古代ゲルマン民族の「ユール」という冬至の祭で使われていた樫の木は、常用樹でもあり、冬でも葉を枯らさないということから、樫は「生命の象徴」とされてました。
その後、樫をモミの木に変えることでキリスト教化し、木の形状は横から見ると三角形になっていることから「三位一体」を表していると教えました。父なる神が頂点で、子と精霊が底辺の両端に位置します。
ツリーオーナメントの意味は、
頂点の星 → ベツレヘムの星(キリスト誕生時に煌く星)
キラキラしたボール → 知恵の実(アダムとイブ)
杖 → 羊飼いの杖(羊、つまり信徒を導く)
柊 → 魔除け(茨の冠の棘、キリストが流した血)
天使 → ガブリエル(受胎告知)
キャンドル → 煌めく星
リール、松ぼっくり → 永遠を表す緑、不滅性
となっております。
アーケード内のクリスマスツリーはスワロフスキーのご提供。トラディショナルなデザインであり、装飾されたものはすべてスワロフスキーのクリスタルです。
天井のイルミネーションと呼応し合うように、毎年発表されるミラノのクリスマスツリーの中でも圧倒的な美しさを誇っています。
しかし…。
2020年版、やりすぎツリーを見に行こう!
上記のオーナメントの意味は完全無視。攻め過ぎたデザインにミラノ人は納得しているのか!?
ドゥオーモ広場はコカコーラのご提供
スカラ座広場
サン・フェデーレ教会
スフォルツェスコ城
カドルナ広場
シティーライフ
サンタマリア・インコロナータ教会
モスコーヴァ広場
サン・シンプリチャーノ教会(いくらリーバイスのご提供だからって…)
逆に、イータリーのクリスマスツリーに安心感を覚えてしまいます。
しかしよく見ると、
頂点の星がフォークになっている!
地味に攻めていました。
コロナに振りまわされた一年でしたが、皆様!来年は攻めていきましょう!
(ミラノ、川倉靖史)