「新型コロナウイルス状況」
3月10日から始まったイタリア全土都市封鎖(ロックダウン)から約二ヶ月後、
5月中旬になり、ほぼ2週間おきの段階的規制解除により、小売店・飲食店・理美容室・ジム・プール・ビーチ・映画館など「新しい生活様式」による営業が再開しました。
更に、6月3日からイタリア国内移動及びEU諸国からの訪伊がOKとなりました。
人々の移動や接触が急に増えた事により第二波の懸念がありますが、今現在のイタリアの新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いています。
7月9日のイタリア全土の感染者は214名(PCR等検査人数29947人・陽性率0.71%)となって相変わらずロンバルディア州地区が多くを占めています。
ローマは5月23日から毎日一桁台が続いていましたが、数日前から南アジア・南米などからの外国人入国者の陽性者が増えてきました。7月9日は23名陽性者で内20名が外国人で、久しぶりの20名超えです。(ローマ市人口約300万人)
「ローマの観光地」
ローマを訪れる観光客は6月当初はイタリア人家族やカップル(特に感染者が多く出た北イタリアの人達が多いなあ~と、方言などで分かりました)で数も少なく観光地は何処もすいていました。
ローマもオーバーツーリズムの場所ですので、知り合いのローマ在住の日本人達はこの機会にガラガラでゆっくり見学出来ると、美術館や博物館に行ったり、名所・遺跡巡りをしていました。
といっても7月になりバカンスの時期になって来ていますのでEU諸国からの外国人やEU在住日本人も徐々に増えて来ているなあ~と実感しています。
トレビの泉は水盤のある所までは密集を避けるため近づけませんが、コインを投げるのは勿論出来ます。
(トレビの泉6月末撮影)
コロッセオなど入場施設では体温測定(37.5度以内)、マスク着用、ジェル消毒など日本同様の対策が取られています。
コロッセオや博物館などでは、混雑を回避する為、時間指定の予約制となっていますし、内部の見学場所などもコースが決められている施設もあります。
(博物館対策)
(コロッセオの入口・・・時間指定予約なので列は出来ていない 7月7日撮影)
(真実の口の体温測定と列間隔 6月末撮影)
「ラファエロ」
今年はルネッサンスの天才芸術家「RAFFAELLOラファエロ」がローマで没して500年にあたるので、ここローマでも多数の貴重なラファエロの作品を集めて大々的に展覧会が開催される予定でした。しかし開催した数日後にロックダウンとなり閉鎖になってしまいました。が、6月2日から再開され毎日多くの鑑賞者で賑わっています。予約制で8月30日までの開催です。
大公の聖母
ラファエロの自画像
そのラファエロの〈最後の作品〉かもしれない??という大ニュースが今回バチカン博物館から発表されて大きな話題になっています。
バチカン博物館の四つある『ラファエロの間』。その中にはご存じの「アテネの学堂」が描かれてる『署名の間』があります。そしてその中の一つ『コスタンティーノの間』は2015年3月から修復洗浄作業がおこなわれていました。このコンスタンティーノの間の装飾はラファエロの計画や下絵をもとにラファエロが亡くなったあと、弟子のジュリオ・ロマーノやフランチェスコ・ペンニなどが完成させたと言われています。
今回の修復作業で、二か所に描かれた女性の姿がラファエロの手によるものだと判明した訳です。しかもなんと壁に油絵の技法を使って描いています。教皇ユリウス2世と「正義」、レオ10世と「友情」を意味する寓意画です。
バチカン博物館ご見学の際には是非ご覧になってくださいね。
正義と友情
丸印の箇所で右が正義、左が友情
コンスタンティーノの間
今年はラファエロが亡くなって500年でしたが、昨年はレオナルド・ダ・ヴィンチが亡くなって500年でした。
ローマに唯一ある貴重な彼の作品でバチカン博物館所蔵の「聖ヒエロニムス」は昨年貸出しが頻繁にされてローマには不在でしたが、やっと長い出張から戻って来ていますので、ラファエロと合わせて鑑賞なさってください。バチカン博物館の『ピナコテカ・絵画館』で会えますよ。
(ローマ/坂井田文夫)