世界遺産のバロック建築群
街の中心に位置するカステッロ広場。
サヴォイア家の王宮(画像上)やマダマ宮殿(同上)は、「サヴォイア家の王宮群」として世界遺産登録を受けています。17~18世紀、シチリアから招へいされた建築家フィリッポ=ユヴァーラらにより、バロック建築が次々と建てられました。
謎めいた「聖骸布」
トリノの大聖堂は、市内では珍しいルネサンス様式の建築です。
内部には十字架から降ろされたイエスの遺骸を覆ったと伝えられる「聖骸布」が安置されています。
現在はローマ法王の管理下にあり、数年~十数年に一度一般公開されています。最近では2010年春に公開され、世界中からあまたの信者が詰めかけました。
ふだんは王宮に隣接するサン=ロレンツォ教会でレプリカを見ることができます。
ユニークな博物館
トリノには4つの国立博物館があります。
街のシンボル、モーレ・アントネッリアーナにあるのが映画博物館(画像上)。近代イタリア誕生の地であるトリノは、映画制作のメッカでした。体験型の展示はとてもユニーク。
モーレ・アントネッリアーナの上層階には展望台があります。エレベーターでガラス張りのフロアに登れば、晴天の日は碁盤の目のように路地の連なるトリノ市街と、アルプスの峰々を一望!
その他3つの博物館は、アルプスに近いことから山岳博物館、フィアットのお膝元であり、自動車産業の集積地であることから自動車博物館、そしてなぜかエジプト博物館(画像右)です。
ナポレオンのエジプト遠征に参加し、戦利品である古代の貴重な品々を管理していた貴族がサヴォイア家に仕えていたことから、コレクションがトリノへと運び込まれたのです。その規模は欧州最大。古代エジプトファンは必見です。
美食を満喫
フランスの流れをくむサヴォイア家の影響を受け、トリノは美食の街としても知られています。
散策の合間に立ち寄ってみたいのが歴史的カフェ。19世紀にタイムスリップしたかのようなクラシカルなインテリアのカフェが街の中心部に点在しています。アルコール類を注文すると、カウンターに並んだおつまみが好きなだけ食べられる「アペリティーヴォ」のシステムが嬉しい(画像上)。
カフェのメニュー「ビチェリン」は、コーヒー、ホットチョコレート、ミルクが3層になった飲み物(画像上)。「イタリア3大チョコレートの街」の一つであるトリノらしい、スイートな名物です。
酪農の盛んなアルプスに近いことから、様々な乳製品が食べられます。
こちらはアーティチョークをムースに仕立て、DOP指定「ラスケラ・チーズ」のソースを合わせたおしゃれな一品です。
日本でも人気のパンナ・コッタ。実はトリノを州都とするピエモンテが発祥の地です。地元ならではのハイクオリティな味に、思わずにっこり。
パスタは生パスタが主流です。一押しは詰め物入りのアニョロッティ。
こちらのお店ではツナの入った意外なとり合わせで、エキストラヴァージンオリーブオイルが効いていました。
以上3品は、王宮からほど近いトラディショナル・レストラン「L’Osto del Borgh Vej」のメニューです。
アドレス: Via Tassi 7, Torino
Tel 011 4364843
~このほか、リゾット、白トリュフ、ワイン(バローロ、バルバレスコ、バルベーラなど)、ジェラート等々、四季折々の味が楽しめます。
トリノ一の高級レストランといえば誰もが名をあげるのが「イル・カンビオ」。イタリア初代国王ヴィットリオ=エマヌエーレ2世が誕生し、王国初の議会が設置されたカリニャーノ宮殿の前に位置し、初代首相カブールのお気に入りでした。
カブールは、議会の様子が見える席にいつも座っていたそうです。
スローフード運動の一翼を担う高級食材店「イータリー」一号店があるのもトリノです。
イタリア全土から選りすぐった食材をはじめ、オリジナルエコバッグなど、お土産さがしが楽しい♪
イートインコーナーでは、各地のスローフード食材を取り入れた料理を食べることができます。
団体旅行ではなかなか出会うことのないイタリアの知られざる美味にトライしてみてはいかがでしょうか?
トリノ基本情報
トリノ カッセレ空港
ローマ、パリ、フランクフルトなどヨーロッパ主要都市から直行便が運航しています。
市街地までバス、鉄道でアクセスできます。
空港ホームページ
市内交通
トラム、バス、メトロ
オレンジ色のレトロなトラムは、クラシカルな街並みにお似合い☆
イータリー本店のある「リンゴット地区」へはメトロの利用が便利です。
トリノ交通グループホームページ
鉄道の旅
トリノ市内には主要な駅が2つあります。
ポルタ・スーザ駅には、トレンイタリア、NTV(イタロを運行)の2社が乗り入れています。
ポルタ・ヌォーヴァ駅(奥のかまぼこ型屋根の建物)にはトレンイタリアが乗り入れています。
いちばん近い大都市ミラノまで、ユーロスター・イタリアまたはイタロでわずか40分ほど。
さらにフィレンツェ、ローマへも乗り換えなしでアクセス可能です。
またTGVでフランスのパリやリヨンにも移動できます。