街の中心に広がるカンポ広場。扇のように広がった姿は「ヨーロッパ一美しい」という人もいるほど。
かつての市庁舎パラッツォ・プブリコと、イタリア第2の高さを誇るマンジャの塔が見下ろします。
広場にマンジャの塔の影帽子がくっきりと。
健脚の方は、ぜひ塔の石段を登ってみましょう。
屋上からは、中世の街並みとトスカーナの田園の360度のパノラマが広がります。
もうひとつの観光スポットがシエナ大聖堂です。
中世に強大な力をもったシエナは、近隣のフィレンツェに建つあのサンタ・マリア・デル・フィオーレに対抗し、巨大な大聖堂の建設に着手しました。
しかしその途上でペストが大流行、住民の半数以上が病に倒れました。
以来街は衰退の道をたどり、大聖堂は計画の3分の1の規模に縮小されました。
それでも内部には、ミケランジェロの大理石彫刻や、ピントゥリッキオが装飾した目の覚めるような図書室などがあり、往時の栄華を偲ぶよすがとなっています。
未完に終わった部分は、現在展望台になっています。
夏は夜間も開放され、しっとりとしたシエナの夜景を見ることができます。
シエナは、古来17の「コントラーダ」と呼ばれる街区に分かれています。
それぞれヒョウ、カタツムリ、キリン、アヒル、塔などのユーモラスな紋章をもち、街をカラフルに彩っています。
17種類の紋章を探すのは、ロールプレイングゲームのようで楽しいですよ☆
コントラーダの結束が最も強くなるのが、毎年7月2日と8月16日の2回開催される「パリオ」。
この日のために制作された美しい旗(パリオ)を賭けて、選抜された10のコントラーダが競馬を行います。
大胆にも、カンポ広場に砂を敷き詰めて特設コースを設置。
中世の衣装をまとった華麗な旗振り行列に続き、裸馬(!)にまたがった騎手たちが広場を疾駆します。
レースのゆくえに一喜一憂するセネーゼ(シエナ人)たちの熱狂ぶりは、ちょっと近寄りがたいほど。
のどかな中世の街に血がたぎる2日間です。
シエナ基本情報
●近隣からのアクセス
フィレンツェから
バスでの移動がおすすめです。サンタ・マリア・ノヴェッラ駅前から、急行バスで約1時間です。
鉄道でもアクセス可能ですが、ローカル線で1時間30分ほどかかり、途中で乗り換えもあります。また、坂の上のシエナの町の中心部に行くにはシエナ駅からさらに路線バスに乗る必要があるためあまりおすすめしません。
ローマから
ティブルティーナ駅前から、バスで約3時間
●おすすめの季節
乾燥する夏が過ぎ、トスカーナの田園に緑の戻る秋がおすすめです。
山の幸に恵まれたシエナでは、新鮮なポルチーニ茸を堪能できます。
●小規模の街ですので、日曜日はほとんどの商店やレストランがクローズします。
平日に訪れるのがおすすめです。