実際にこの町を訪れたことがないイタリア人でも、チェルヴェーテリと聞けば『ワインで有名な町ね!』と答えるほど、昔からブドウ栽培とワインで有名なチェルヴェーテリ。
人口は約38,000人、ローマから西北西35キロの距離にあります。
地中海世界最大の大きさで、世界遺産に登録されたネクロポリ(エトルリア墓地遺跡群)や、考古学博物館、イタリアでも残っている数が少ない中世時代の6時間時計、作曲家ヘンデルのパトロンでもあり、ヘンデル作曲Diana Cacciatriceの初演が行われたルスポリ宮殿(現在はホテル)など、歴史あるこの町で1961年から開催されているのが葡萄とワインの収穫祭です。
チェルヴェーテリのワイン
フランスにある最も古いワイン痕跡を分析した結果、紀元前500年頃にチェルヴェーテリの古代エトルリア文明からワインが持ちこまれたことが2013年に判明(米アカデミー紀要)したことで、さらに注目を集めるようになったチェルヴェーテリのワイン。
独立したワイナリーもありますが、ワイン醸造を行わないブドウ農家はチェルヴェーテリ共同醸造所にブドウを運び、そこで作られる土着品種のトレッビーノとマルヴァジーアのブレンドでできた白ワインと、モンテプルチャーノとサンジョヴェーゼェのブレンドで作られた赤ワインが有名です。
毎年8月下旬に3日間にかけて行われるブドウとワインの収穫祭は、チェルヴェーテリ市内のワイナリー、共同醸造所、チェルヴェーテリ市近郊のワイナリーが集まり、市を挙げての一大イベントの一つです。
ブドウとワインの収穫祭
収穫祭中の注目イベントは、2日目の『昔ながらのブドウ圧縮』と3日目の『仮装列』、打ち上げ花火、野外コンサート、そして毎晩19時半から行われるワイン試飲も見逃せません。
『昔ながらのブドウ圧縮』は、昔の衣装を着た人たちが行うブドウ足踏みの様子が見られるのだろうなと思っていたのですが、実はチェルヴェーテリを5つの地区に分けた『ブドウ圧縮競争』だということが会場に着いてからわかりました。
ちなみに黒シャツの方は市長さんです。
用意されたブドウを足で踏み、ワインではなく、ブドウジュース?でいち早くビン樽をいっぱいにしたグループが優勝という競技です。
毎日夜19時半から行われているワイン試飲コーナでは、10€を払い各自専用のマイグラスをもらったら、チェルヴェーテリ市、そしてその近郊で作られている約15種類のワインを味わってみましょう。
試飲とはいえグラス半分近くに注いでくれるので、日本未入荷ワインと屋台で見つけたイタリアンストリートフードを、広場で演奏される生演奏を聴きながら味わうのも楽しいですよ。
もちろん気に入ったワインの購入も可能です。
イタリアは日本と違い朝晩との気温差があるので、8月でも太陽が沈んでからは一段と涼しくなり過ごしやすいので、ワインを飲んでさらに陽気になったイタリア人との会話も楽しんでみてください。
3日目に行われる、チェルヴェーテリ市の3つの町内会グループが参加する仮装行列と山車も見物です。
各町内会が選んだテーマの仮装行列と、農耕が盛んな町だけあって大型トラクターに引かれる山車が町の中心広場をゆっくりとまわります。最終的にどの町内会の仮装と山車が素晴らしかったか競うらしく、衣装も演出もかなり手が込んでいます。
金、土、日曜の3日間にわたり、ブドウ圧縮競争、仮装行列と山車、露店、屋台、ワイン試飲、毎晩21時半からイタリア人有名歌手が行う無料野外コンサート、そして最終日には打ち上げ花火と盛り沢山のプログラムとなっているチェルヴェーテリ市のブドウとワインの収穫祭。
メインイベントが始まるのが夕方からなので、午前中は世界遺産のネクロポリ、チェリテ博物館を見学したり、チェルヴェーテリ市にあるワイナリーを回り、ワイン製造見学を行うことをお勧めします。
夏の締めくくりを大勢のイタリア人と楽しむブドウとワイン収穫祭、いつもとは違うイタリア旅行記になること間違いなしです。
◆チェルヴェーテリ市のネクロポリス、博物館インフォメーション
・ネクロポリ
住所:Via della Necropoli 43/45 Cerveteri
入場時間:8時半から19時半
入場料:6€、博物館と共通券は8€
・チェリテ博物館
住所:Piazza Santa Maria Cerveteri
入場時間:8時半から19時半
入場料:6€、ネクロポリとの共通券は8€
両方とも月曜日は休み
(記事:LeMuse-JapanItaly)