イタリア アスティ発!バーニャカウダ
バーニャカウダの美味しい食べ方
現地在住者おすすめのレストラン紹介

家族そろっての食事、団らん。
地産地消、旬のものを食す。
そんなスローフードの定義にぴったりなバーニャカウダは、
ピエモンテ州を代表する郷土料理です。
近年では、地中海式ダイエットにも認定されています。
バーニャカウダを囲み、心身ともに温まりましょう。

寒い冬には欠かせない “温かいソース” という意味合いを持つ “バーニャカウダ”。
それは、ピエモンテ州の中心地に位置する人口 約8万人のアスティ県で生まれました。
基本のバーニャカウダの材料は、にんにく、アンチョビ、オリーブオイルの3つ。
それらを煮詰めてソースにし、旬の野菜とともにいただきます。

ピエモンテ州の郷土料理が、リグーリア州の名産であるオリーブオイルやお魚を使った料理?と疑問に思う方のために昔話を少しだけ。

昔々、塩や砂糖が希少だった時代、ピエモンテ州は、海に面した南仏やリグーリア州から塩を購入、もしくは物々交換をしていました。塩だけでなく塩にかかる税金も高かったため、収穫量が多く、安価な魚であるイワシに目がつけられました。塩漬けの魚を購入するという歴史背景から塩漬けイワシであるアンチョビがピエモンテ州の郷土料理にお目見えするという訳なのです。そこへ、農業が盛んなアスティ県近郊では、採れたての野菜とともに、ピエモンテ州の特産物であるヘーゼルナッツや少量のバターをオリーブオイルの代わりに使っていたという文献も残っています。先人の知恵から生まれたバーニャカウダは、単に体を温めるだけでなく、疲労回復や滋養強壮に効果があるにんにく、旬の野菜を豊富に摂取することで栄養バランスも保たれ、厳しい冬を乗り切るには欠かせない存在となったのです。

そんな理にかなったバーニャカウダは、現在も人気を博します。
毎年11月には、アスティ県が中心となりバーニャカウダ祭りが開催されます。
ピエモンテ州のレストランがバーニャカウダ一色となるのです。
翌日が仕事、あるいは、臭いが気になるという方のために、ニンニクなしのバーニャカウダを提供するお店もでてきました。時代とともに進化し続けるバーニャカウダから目が離せません。

本場のバーニャカウダを食べてみたい!という方のために。
11月~2月のピエモンテ州では、高い確率で、バーニャカウダを提供するお店に遭遇します。ですが、冬に旅行へ行けない。という方もご安心ください!今回は、冬に限らず、ほぼ一年中バーニャカウダを食せるおすすめの一軒をご紹介します。

Caffe` Roma(カフェ ローマ)

カフェという名からは想像しにくい地元密着型の実力派。
こちらは、筆者が非常勤講師を務めるICIF(イチフ)という国際料理専門学校のあるCostigliole d’Asti(コスティリオーレ ダスティ)という町にあります。
外国人が年中行き来するこの町の中心地にあるカフェ ローマでは、郷土料理に加え、バーニャカウダがいつしか看板料理に。
バーニャカウダは、国籍を超えて人気があり、期間限定で料理を学びに来る留学生の為にも1年のうち10か月は、バーニャカウダを提供する事に決めたそうです。
新ニンニクが手に入る5月~9月は、サマーバージョンのバーニャカウダ。
新ニンニクでつくるバーニャカウダは香り、味わいともにデリケート。季節野菜としてアーティチョークやミニトマトとともにいただくバーニャカウダは別格です。
そして、10月~2月までは伝統的なバーニャカウダ。どちらもこだわりの地元産野菜と一緒にいただきます。バーニャカウダは、旅行中の野菜不足解消にもピッタリの一品です。
こちらは、家族経営で温かいサービスにも定評があり、観光客の方へもお勧めです。

アスティ市内からは、約20㎞の距離。
少し足を延ばしても食べる価値のある地元イタリア人、そして外国人にも人気のあるカフェ ローマのバーニャカウダ。
ピエモンテ旅行の際には、是非、本場のバーニャカウダをご賞味くださいませ。

 

Caffè Roma – Enoteca con Cucina
住所:Piazza Umberto I, 14 – 14055 Costigliole D’asti (AT)
TEL:0141 966544

(記事:YUCA)

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