

日本語では朝鮮アザミと呼ばれるカルチョーフィは、古代ギリシャ、古代ローマ時代から食されていた長い歴史がありますが、当時のカルチョーフィは特に栄養価もなく、貧困層の食べ物とされていたようです。そのカルチョーフィに、フィレンツェの大富豪メディチ家が披露宴で来賓客に振舞ったところ、そのあまりの美味しさに食べ過ぎた人が亡くなってしまった話や、日本でも有名な画家カラヴァッジョにもカルチョーフィにまつわるエピソードがあります。
ローマの庶民的レストランでカルチョーフィの料理を頼んだカラヴァッジョは、料理を運んできた給仕にその料理法を尋ね、満足した答えが得られなかったことに憤慨し、剣を抜き、給仕を追いかけまわしたそうです。彼の性格もありますが、それだけ美味しい一品だったのでしょう。
品種改良が進み、今日のカルチョーフィは、食物繊維やミネラルを多く含み、解毒作用、利尿作用、高血圧予防、血糖値抑制、便秘改善、整腸作用、動脈硬化予防に効くといわれるスーパーフードの一つとされています。

ローマの中心街にあるユダヤ人街
ローマにユダヤ人のコミュティーが出来たのは紀元前1世紀頃だといわれています。ユダヤ人の経済力を保護していたローマ教皇でしたが、1555年ユダヤ教を恐れた教皇パウルス4世は、ローマのユダヤ人隔離を命じ、その区域を塀で囲んだそうです。そうして出来たローマのゲットー地区は、世界で一番古いヴェネツィアのゲットー地区から40年後に出来た歴史ある場所です。

ユダヤ人街レストラン、ジジェット
このような歴史背景にあるユダヤ人街に1923年にルイジ・チェッカレッリが開業したダ・ジジェットは、開業当時からフラスカーティ産のワインとユダヤ風カルチョーフィがローマっ子から愛されているユダヤ伝統料理を提供してくれるレストランです。


ローマに来たら絶対食べるべきユダヤ風カルチョーフィ
ダ・ジジェットのとても気前の良いオーナーは、「是非食べに来て下さいね」と、特別にユダヤ風カルチョーフィの調理を見せてくださいました。
周りの固いガク片をかなり取りのぞき、先の尖った部分を切り取り、茎の外側の皮をむきます。

それを塩と胡椒のみで味付けを行い、高めの温度の油で約20分揚げていきます。

一旦油から取り出したカルチョーフィを20分くらい冷まし置きしたあと、手で花弁と花弁を開いて隙間を作ります。そして180度に熱したたっぷりの油で2~3分揚げれば、病みつきになるカリッとしたユダヤ風カルチョーフィの出来上がりです。

大輪の花のような出来上がりのユダヤ風カルチョーフィ


日本から私の友人、知り合いがローマに来るときには必ず連れていくレストランで、絶対に食べさせる一品は、ある日本人のエッセイストもローマに来たら必ずお腹一杯食べるのだそうです。
歴史あるゲットー地区で、ローマっ子もおすすめのレストラン、ダ・ジジェットに着いたら
「プレンド・カルチョーフィ・アッラ・ジュディーア」
「ユダヤ風カルチョーフィを下さい」
と是非オーダーしてください。
なぜここまで愛される一品なのか、すぐにわかりますよ。
【レストラン情報】
Gigetto al portico D’Ottavia ジジェット・アル・ポルティコ・ドッターヴィア
住所:Via del Portico D’Ottavia 21/a-22
ポルティコ・ドッターヴィア通り21/a-22
電話:066832106
e-mail:info@giggetto.it
営業時間:火~日曜 12:30-15:00/19:30-23:00
定休日:月曜
予約はお電話でお願いします。
(記事:Le Muse-JapanItaly)