【レシピ紹介】シチリア家庭料理 パスタ・ンカッシャータ

パスタ・ンカッシャータ
Pasta ‘ncasciata
シチリアの有名すぎる小説にも登場!
シチリア家庭料理パスタのオーブン焼き

シチリアの代表的な家庭料理の一つ。
“’ncasciata”はシチリア弁で「ミックスされた」という意味で、もともとは冷蔵庫にあるものをミックスして作ったのが始まりです。
シチリア島内各地で様々なレシピが存在しますが、今回は東海岸のメッシーナという地域を中心に作られているレシピをご紹介します。

材料(4~5人分)

・パスタ 350g*
・卵 2個
・ナス 約450g
・玉ねぎ 約35g**
・人参 約35g**
・セロリ 約35g**
・合挽きミンチ 350g
・トマトピューレ 400g
・ハム 100g
・カチョカヴァロチーズ 100g***
・粉チーズ 適宜
・パン粉 適宜
・エクストラヴァージンオリーブオイル 適宜
・塩 適宜
・こしょう 適宜

*パスタは、マッケローニのような筒状のショートパスタが適しています。今回使ったのはセーダニ・リガ―ティと呼ばれるパスタです。
**玉ねぎ、人参、セロリは3つあわせて約100gになればOK。セロリがない場合は、玉ねぎと人参で100gでもOKです。
***カチョカヴァロチーズが見つからない場合は、他のお好みのチーズで構いません。日本で手に入りやすいチーズでは、モッツァレラチーズでも美味しく作れます。

作り方

1)ナスを1cm×1cmほどのサイコロ状に切る。余分な水分を取り除くため、ざるに入れ、塩をまぶして30分から1時間ほどおく。

2)水気を切ったナスを多めのオリーブオイルで素揚げにする。表面がきつね色になってきたら、キッチンペーパーを敷いた皿にあけ、余分な油をとる。

3)深めの鍋にオリーブオイルを薄く敷き、みじん切りにした玉ねぎ、人参、セロリと合挽きミンチを炒める。ミンチには軽く塩こしょうをする。ミンチの色が変わったらトマトピューレを入れ、1時間弱煮込む。

4)煮込んでいる間に、ゆで卵をつくり、パスタを茹でる。ゆで卵、ハム、カチョカヴァロチーズをサイコロ状にカットする。

5)パスタ、2)の素揚げしたナス、3)のソース、ゆで卵、ハム、カチョカヴァロチーズを大きめの皿で混ぜ合わせる。ソースはおたま1杯分を残しておく。

6)耐熱皿の表面にオリーブオイルを薄く敷き、軽くパン粉をまぶす(あとで皿から取りやすくするため)。5)を入れ、だいたい五分目まで入れたら、全体に粉チーズを振りかける。

7)5)を全部入れたら、最後に残しておいたソースを上から掛け、粉チーズとパン粉をまんべんなく振りかける。

8)180度のオーブンで20~25分ほど焼く。(オーブンによって異なりますので調整してください)

作り方のコツ

・ナスの素揚げの工程は、前日に仕込みをしてもOK。むしろ前日から仕込んだ方が、しっかり油が切れ、柔らかく仕上がります。
・パスタは、オーブンでも焼くので、少々固めに茹でます。
・耐熱皿に入れる工程で、途中で粉チーズを振りかけることで、下の方までチーズが行き渡るようにします。
・おたま一杯分のソースを残しておき最後に上からかけると、焼いている間に乾燥しにくくなります。どうしても乾燥するという場合は、最初はアルミホイルを掛けて、最後の5分ほどはアルミホイルを外して焼いてみてください。

料理にまつわるエピソード

シチリア人有名作家アンドレア・カミッレリの代表作『モンタルバーノ警部』シリーズにも登場し、全国的に知られるようになりました。お手伝いさんが冷蔵庫にあるもので作ってくれたパスタ・ンカッシャータを、主人公モンタルバーノは大絶賛しています。このシリーズに登場したものも、メッシーナのレシピです。

(記事:サエコ)