ローマの教会巡りを楽しもう

ローマ 古寺巡礼 教会巡りを楽しもう
コロッセオやトレヴィの泉など、スペクタクルな名所のはざまに佇むローマの教会。
劇場のセットのようなバロック建築が街を彩り、入り口のドアをくぐれば、華麗な装飾に心を奪われます。
ひとたび魅力を知れば、あなたも教会めぐりのトリコに?
サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会-ローマ復興の立役者が眠る教会
中世のおよそ100年間、法王庁はフランスのアヴィニョンに置かれ、ローマの街は荒廃が進んでいました。
1420年、ローマに完全復帰した法王は、永遠の都の魅力を取り戻すべく街の復興に全力を注ぎました。
その中の一人ユリウス2世は「ユリウス・カエサルの再来」と云われ、領土拡大のため自ら軍隊を率いて戦に臨むというコワモテぶりでした。
ローマに巨大建造物を次々建設し、さらには自分の壮大な墓を建て、権威を揺るぎないものにしようとしました。
墓廟建設に当たり白羽の矢が立ったのがあのミケランジェロです。
法王は彼に40体もの男性裸像を彫らせようとしましたが、お互いのガンコな性格が災いして衝突を繰り返したことと、ミケランジェロがバチカンのシスティーナ礼拝堂で天井画の制作に取り組むようになったことにより計画は遅々として進まず、その間に法王はこの世を去ってしまいました。

結局当初の予定を大幅に縮小して完成した墓廟が、コロッセオにほど近いサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会に設置されました。

墓廟を飾る数々の彫刻の中で、「モーゼ」はミケランジェロ以外の手が加わっていない唯一の作品です。

ユリウス2世ご本人の像はこちら。
ミケランジェロのデッサンに基づいて弟子が制作したものです。

なお、教会の名前は「戒めの聖ペテロ」という意味です。
初代法王、聖ペテロが牢獄でつながれていたという伝説をもつ鎖が祀られています。
この聖遺物を信仰する巡礼も訪れ、教会は連日賑わっています。
日本史でおなじみの宣教師 フランシスコ・ザビエル
ローマ歴史地区のど真ん中、ナヴォーナ広場界隈。
右も左も石造りの歴史的建造物に囲まれたこのエリアに佇むのがジェズ教会です。
「ジェズ」とはイタリア語で「イエズス」の意味。そう、日本にキリスト教を布教したイエズス会の教会です。
大航海時代の波に乗り、反宗教改革運動を推し進めたイエズス会はカトリック世界で強大な力を得て、ジェズ教会は贅を極めた建築となりました。

床に置かれた鏡を覗きこむと…

心を揺さぶるバロック様式の天井画が広がります。

祭壇は教会のどの位置からも見え、大勢の人々が祈りに集中できる設計になっています。
そして、イエズス会と云えばこのお方、フランシスコ・ザビエル。
日本を含むアジア各地で布教を行った彼は、ふたたび故郷スペインの土を踏むことなく、中国で落命します。

彼の遺体のうち、右手がローマへ運ばれ、ここジェズ教会に安置されています。
ディープなローマのただ中で、遥かなる日本とのつながりを感じてみてはいかがでしょうか?
テルミニ駅前からタイムトラベル①~1200年前 サンタ・プラッセーデ教会
テルミニ駅から徒歩7~8分ほど、街の喧騒の中にあるサンタ・プラッセーデ教会。

明るいサーモンピンクの外壁の向こうには、ローマ最古のモザイク画が描かれています。

ここは聖ペテロが逗留した家の娘、プラッセーデに捧げられた教会です。

もう一人の娘、プデンツァーナと一緒に聖母子を囲むモザイク画がこちらです。
遥か1200年前の人々の信仰心を、鮮やかな色彩で今に伝えます。

街中のこぢんまりとした教会で思いがけず出合ったいにしえのモザイク装飾。
ベンチに腰を下ろし、しばし静謐なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
テルミニ駅前からタイムトラベル②~1700年前 サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ・エ・デイ・マルティーリ教会
テルミニ駅から徒歩5分ほどに位置する円形の共和国広場。

この広場に面して簡素なファサードを見せているのがサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ・エ・デイ・マルティーリ教会です。
この場所には、西暦305年、古代ローマ皇帝ディオクレティアヌスによって建設された浴場がありました。
古代ローマ時代の浴場「テルマエ」とは、浴場を中心とした複合施設。
約3000人がスポーツや文化活動を楽しめる途轍もなく巨大なテルマエが、人海戦術によりわずか8年で完成。中世の伝説によると、そのうちの4万人は当時ローマ帝国から迫害を受けていたキリスト教徒だったそうです。
サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ・エ・デイ・マルティーリ教会は、天使(アンジェリ)と浴場建設に駆り出されたと伝えられるキリスト教徒の殉教者(マルティーリ)に捧げられました。
ミケランジェロが教皇ピウス4世の命を受けて建設に着手、後に建築家ヴァンヴィテッリが手を加えました。


温浴室(カルダリウム)のアプシス(後陣)の一つが教会の入口になりました。ミケランジェロが古代文明に払う敬意がしのばれます。
教会の中心部は、古代建築の壮大なスケールを今なお保っています。

大理石だけでなく、エジプト産赤御影石の鮮やかな太い円柱も当時のまま。
高い天井の下に立つと、人々が思い思いに入浴を楽しむ活気に満ちた古代都市ローマに身を置いた気分に浸れます。
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