スペクタクル!ナポリの地下鉄駅でアート鑑賞

スペクタクル!
ナポリの地下鉄駅でアート鑑賞

今なお延伸中のナポリの地下鉄。
ナポリの地下鉄って治安は大丈夫?
そんな不安を払拭するためにアート作品で彩られています。
まるで美術館のような地下鉄でアート鑑賞を楽しみませんか?

美術の駅プロジェクト

少し危ないイメージのあるイタリアの地下鉄。その中でもナポリの地下鉄はもっと怖いのでは・・・と思いきや、ナポリの地下鉄は『美術の駅』に彩られています。
駅の中で様々な現代美術作品を設置することによって、普段関心を持たない人にも現代アートに対して親しみを感じさせるために、このプロジェクトが生まれました。
「駅は必然的な美術館となる。街の人々は毎日駅を利用して、美術作品の前で通りながら美術に親しんでいく」と、美術評論家アキッレ・ボニート・オリーヴァさんが言います。

まさにその言葉の通り、有名なアーティストや若手アーティストなどの美術作品が各駅に散らばっていて、文字通り現代アートの中を旅することができます。

地下鉄の切符を買って、美術館のようにすべての駅を巡るのは、いつもと違う観光プランになるでしょう。

トレド駅

世界で最も美しい地下鉄駅とも言われているトレド駅。2012年にイギリスの新聞のデイリー・テレグラフに、2014年にCNNに『ヨーロッパ一綺麗な駅』に抜擢され、2013年に『年間最優秀公共建物』としてLeaf awardを受賞しました。
設計はスペイン人のオスカー・トゥスケ・ビアンカ。深海につながるかのような青が美しいエスカレーター部分は、舞台演出家のロバート・ウィルソンとの合作です(LED照明部分を担当)。その他、ウィリアム・ケントリッジのモザイク画や、日本の芸術祭でもお馴染みのイリヤ&エミリア・カバコフやコンセプチュアルアートの第一人者ローレンス・ウェイナーの作品もあり、現代アート好きなら必見の駅です。

公式パンフレット(PDF)

ウニヴェルシタ駅

エジプト出身のプロダクト・デザイナー カリム・ラシッドの作品で統一されている駅。原色を使ったカラフルでポップなテイストでまとまっており、見ているだけでナポリ人の陽気さに触れているかのような気持ちにさせられます。
公式パンフレット

ガリバルディ駅

ナポリ中央駅前のガリバルディ広場につながる地下鉄ガルバルディ駅は、フランス人建築家のドミニク・ペロー設計で2013年オープン。光り輝くエスカレーターが交差する様はそれだけでスペクタクル。透明なガラス天井によって自然光が40m地下まで届くようにするなど、シンプルな中で随所に工夫が凝らされています。
公式パンフレット

ダンテ駅

ダンテ広場につながる地下鉄駅で印象的なのは、コンセプチュアルアートの巨匠ジョセフ・コスースの作品。ダンテの『饗宴』の一説が、ネオン管で表現されています。コスースの作品は、横浜のみなとみらい駅からクイーンズ・スクエアにつながる長いエスカレーターの壁に掲げられた巨大なシラーの詩が書かれた石版を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
公式パンフレット

ムゼオ駅

国立考古学博物館最寄りの地下鉄駅。東京のイタリア文化会館を設計したガエ・アウレンティの建築です。考古学博物館最寄りということもあり、博物館所蔵のレプリカ作品や古代の作品から着想を得た現代アート作品などが飾られています。
公式パンフレット


ナポリの地下鉄は将来カポディキーノ空港まで延伸される計画があるそうです。
いつになるかわかりませんが、楽しみですね。

地下鉄も通ってますます便利になったナポリ。
あ、観光中はくれぐれもスリ・置き引きに気をつけてくださいね。