時が止まった古代ローマのタイムカプセル

ポンペイ

ナポリ湾の南、ヴェスヴィオ山の麓に広がるポンペイは、かつてローマ帝国の属州として栄えた都市でした。当時は人口20,000人を擁した都市ですが、紀元79年8月24日、ヴェスヴィオ山の噴火によって発生した火砕流によって都市全体が火山灰に埋没。数万人が暮らしていた都市は一瞬にして姿を消しました。
しかし、この悲劇が奇跡を生みます。火山灰によって密閉されたことで、建築物、モザイク画、壁画、器具、パン屋、居酒屋、果ては人々の姿までもが、当時のままの形で残されたのです。まさに「時が止まった古代ローマのタイムカプセル」。
ポンペイは18世紀から本格的に発掘が始まり、現在もなお新たな発見が続いている世界で最も生々しい古代ローマ都市遺跡として、多くの歴史家・考古学者・旅行者を惹きつけています。

       

フォーラムと神殿群

市の中心に広がるフォーラムは、政治・宗教・商業の中心。ジュピター神殿は古代ギリシア神話のゼウスを指し、この神殿とヴェスビオ山をセットに撮る写真が定番です。

ポンペイの最大の魅力は、都市機能がほぼ丸ごと残っていること。パン屋の石臼やオーブン、居酒屋のカウンター、通りには馬車の轍が残るなど、その場に身を置くとローマ人の営みがそのまま見えてくるようです。中でもローマ人ならではの習慣といえばテルマエ(公衆浴場)。スタビアーネ浴場は市内で最も古く、最大の浴場です。高温浴のカリダリウム、男像の柱が並ぶテピダリウム(写真)、水風呂のフリギダリウムがあり、当時のローマ人の習慣を偲ばせます。

石膏の遺体

火山灰に包まれて空洞となった人々の体に石膏を流し込み、人のかたちを再現した石膏像。それは単なる展示物ではなく、生と死のリアルを伝える静かな証言者です。
なかには頭蓋骨が残っているものもあり、火砕流の熱に苦しみながら絶命した姿はあまりにも生々しく、目をそらしたくなるほどです。



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