2020/09/24

Withコロナの新学期

南仏の状態を始めてご紹介してから2か月近く立ちました。あれから夏休みが無事に終わり、コロナとともに新学期を迎えることになりました。

バカンスシーズンのニース

私が住んでいる南仏のニースは6月末まで静かだったのに、7月の頭夏休みに入ったらビーチで人がものすごく増えて、町中は平年の夏休みとそれほど変わらない活気となりました。レストランやお店にとってはいいことでしたが、あんなに密になると心配になって私たちはニースを避け、自粛したり誰もいない山か田舎の方に行ったりしました。

陶器には「触れないでください」の注意書き


カーニュ・シュル・メールの海岸の注意書き

また前回お話したように、7月末からニース市内でマスクが義務化され、その後他の町でもどんどん広がって、マスクが嫌いでも罰金を払いたくないフランス人がほぼみんなするようになりました。マスクの文化を持っていないフランス人として、正直言って皆のマスク姿を見るのがとても不思議でした。
それで少し安心しましたが、人が増えることが心配でした。


ニースのマスク着用義務エリア

今年の夏休みの過ごし方は?

すでに夏休みの重要さの話をしていますが、フランス人の生きがいになっているぐらい一年の中で一番楽しみにして期待する時期です。有給休暇が取れないことが信じられなくて、コロナのせいで減ることなんて誰も想像しないのがさすがにフランス。
私は自営なので有給休暇がないのですが、公務員の夫が数か月前に8月後半の2週間の有給休暇を決定して無事に使うことができました。

今年はヨーロッパ外はもちろん、ヨーロッパ内でも旅行が難しくて、フランス人全員が国内旅行をしたようです。私たちも91歳になった夫のおばあちゃんに会うため、家族4人でニースからブルターニュ地方まで1300キロを車で走りました。フランスに「お盆」がないのですが、8月15日が祭日で、毎年混む時期です。今年はコロナだから渋滞がないだろうと思って8月14日に出発しましたが、普段12時間のかかる旅は大変込み合って17時間もかかりました。

ボルドー経由で行ったのが大間違いで、大西洋側は歴史上で一番観光客が集まったそうで、私たちが訪れたブルターニュ地方もいつもより30パーセントぐらい訪問者が多かったそうです。特にパリとパリ郊外の方は海の方に行って、大西洋側と地中海側は大変人気でした。しかも、密になる電車を避け、車を使うことが多かったそうです。

しかし、「コロナが心配になりませんか」とメディアが遊んでいる若者にインタビューしたら、「ロックダウンは頑張ったし、これからもう一回ロックダウンされるかもしれないから楽しまなきゃ」と答える方が多く、対策を無視する若者たちがよく批判されました。

 
マルシェの風景

withコロナの新学期

幼稚園生と中学生のいる親として、私たちは9月2日の新学期をいつもより心配して待っていました。結局対策は、11歳以上の子供たち(要するに中学生以上)と子供にかかわる大人は全員一日中マスクをして、一日に一回変えること。幼稚園でも手洗いを一日に何回もして、発熱したらもちろん学校に預けられません。

夏休みの密の後は感染者が増えるだろうと思ったら、やはり新学期になってどんどん多くなりました。中学校1年生になった長男のクラスメイトの中でも一人感染者が出て、本人と一番親しい友達があまり症状を出さないまま中学校を一週間休んで、そのあとは元気に戻ってきました。

5歳の次男の幼稚園では、同じクラスに3人感染者が出ればクラスが閉校になるそうです。発熱したら学校に行かせないルールになっていますが、幼い子供は秋からずっと鼻水が出るようになって、手を洗ってもマスクをしなければ風邪もかなり流行るでしょう。ただの風邪なのかコロナなのか判断が難しいです。

フランス全国にいくつか閉鎖になったクラスと学校があるらしいです。PCRが普及するとともに感染者が増え、ニースの市長が先週厳しい対策を取りました。今後は10人以上の集まりが禁止になって、20時以降アルコールの販売もできなくなって、老人ホームへの訪問がまだ不可能です。

さらに、今晩のニュースで知ったばかりですが、マルセイユやエクス・アン・プロヴァンスのレストランはこれから2週間閉まることになりました。

本当に先が見えないコロナ禍。夏休みが終わりましたが普通の生活に戻れず、都会が静かになって、経済的な状況がさらに悪化するとしか思えません。
マスクに関する論争もまだまだ続きます。ロックダウン前にマスクが不足していたときに、マクロン大統領が「コロナに関してマスクは役立たない」と言ってから、どんどんマスク(要するに政府)に反対する声が高くなって、マスクに反対している人が多いです。結局政府を信用しないとのことですね。罰金を払いたくないからマスクをしていますが、マスクの効果を信じないか、マスクで口論になると思う人も多いです。それもとてもフランスらしい考え方で、大変な時期になっても自分の意見を強く言い続けます。

(ステファニー/ニース)