ランプレドットとは、牛の第4胃を様々な野菜やハーブと一緒に煮込んだ郷土料理です。
フィレンツェの街を散歩していると至るところに車屋台が出ていて、ランチ時ともなれば長い行列ができていることもしばしば。
地元民はそれぞれに自分のお気に入りの屋台を持っていて、立ったまま豪快にランプレドットを頬張ります。ランプレドットはフィレンツェの庶民に愛される、手軽に食べられるストリートフードなのです。
注文すると、店主が鍋からランプレドットの塊を取り出し、刃物で細かく切ってくれます。
この時、「サーレ エ ペーペ?(塩とコショウは?)」などと味付けを聞かれるので、準備しておきましょう。
大抵の場合は塩、コショウ、サルサ ヴェルデ(緑のソース)、ピッカンテ(唐辛子)の順に味付けして良いかを聞かれるので、一番簡単なのは「シ (はい)」と答えることでしょう。全部のせで良い場合は、一言で「コンプレート」と言っても良いです。
サルサ ヴェルデとは煮込んだ肉によくかけられる緑色のパセリのソースです。細かく刻んだイタリアンパセリと少量のニンニク、オリーブオイルを混ぜたソースで、肉の臭みを押さえて爽やかな味にしてくれます。
辛味が苦手な方は「センツァ ピッカンテ ペルファボーレ(辛味抜きにしてください)」や「センツァ ペーペ ペルファボーレ(コショウ抜きでお願いします)」と言うこともできます。
特に希望がなければ、最初はノーマルな全部のせで食べてみることをオススメします。それぞれの店の店主が思う、一番美味しい味付けにしてもらえますよ。
見てくださいこのボリューム!
パンがとっても大きくて、思いっきり広げた手のひらくらいの大きさです。直径20cmはありそうなパンに、こぼれ落ちるほどランプレドットが詰め込まれていて、食べごたえ満点。気取らずに、手や口を汚しながら思い切りよくかぶりつくのがフィレンツェ流です。
値段は店によって違いますが、3〜5€程度ととってもリーズナブル。パンに挟んだパニーノではなくプラスチック容器に入れてもらうこともできますが、その場合は4〜6€程度です。
何時間も野菜と一緒にコトコト煮込んだモツは、まったく臭みがなくてトロトロに柔らかい!見た目のボリュームに反してアッサリ味で、あまりクセがありません。
赤ワインと好相性なので、好きな人は是非一緒に注文しましょう。プラスチックのコップに入れられた赤ワインは、1杯1€〜でオーダーできます。
陽気な店主と常連さんたちのお喋りを聞くのも楽しみの一つ。素顔のフィレンツェに出会えるストリートフードの定番、ぜひお試しあれ。
(記事:佐藤モカ)