狂熱のヴェローナ野外オペラの楽しみ方

狂熱のヴェローナ
野外オペラの楽しみ方

夏の風物詩ヴェローナの野外オペラ「アレーナ・ディ・ヴェローナ」。
星空のもとオペラの歌声に酔う一夜を存分に楽しむ方法をご紹介。

©Foto Ennevi/Fondazione Arena di Verona

アレーナ・ディ・ヴェローナとは?

1913年、ジュゼッペ・ヴェルディ生誕100年を記念して「アイーダ」で開幕して以来、世界中から集まる観客を熱狂される世界最大級の野外オペラフェスティバルです。

なんといっても魅力はそのスケールの大きさ。舞台となるのは2000年前に建てられた円形闘技場「アレーナ」。古代ローマ時代の遺跡そのものが舞台美術のようになっていて、劇場やオペラハウスで観るオペラとは一味違う荘厳な雰囲気を楽しむことができます。

かのマリア・カラスのイタリア・デビューがアレーナの舞台だったのは有名な話。ヴェローナの街を歩いていると、「マリア・カラスが住んでいた家」というプレートもあり、オペラが街に息づいていることを感じさせます。

野外オペラの時期は?

例年、6月末からスタートし、8月末までがフェスティバルの期間です。アイーダやカルメン、トゥーランドットなど代表的なオペラ4演目程度が日替わりで上演されます(年ごとに上演されるオペラの演目は変わりますが、アイーダとカルメンは鉄板。バレエ公演が行われることもあります)

メインの上演期間となる7月・8月は、ほぼ毎日の上演となりますが、休演日もあるので事前にチェックしておきましょう。

開演時間

開演時間は21時ぐらいから。イタリアなので、時間ぴったりには始まりません……。3時間半ぐらいの上演時間なので終演は深夜の時間帯になります。観劇をする日はヴェローナで宿泊するようなスケジュールを組むことをおすすめします。

座席の種類

大きく分けると、アレーナの中にある椅子席、周りを囲む石段の指定席、石段の自由席と3つに分かれます。収容人数が約16,000人と普通のオペラ劇場とは違ってかなり広いので、野球場などのスタジアムで行われる大型ライブを想定していると良いかと思います。

あまり後ろの方だと臨場感が損なわれるので、平土間のアリーナ席なら、POLTRONISSIMA GOLDかPOLTRONISSIMA、POLTRONAならアリーナ席後方よりも階段席の前方の方が楽しめるかもしれません。雰囲気だけ楽しみたい、というなら自由席でも大丈夫ですが、石段で3時間過ごすのはかなりしんどいので、体力に自身のある方だけにしましょう。

⇒座席表ダウンロード(PDF)

・POLTRONISSIMA GOLD/1st sector stalls GOLD(平土間センター前方)
・POLTRONISSIMA/1st sector stalls(平土間・前方サイドとやや後方)
・POLTRONA/2nd sector stalls(平土間サイド又は後方及び階段席前方)
・GRADINATA NUMERATA 1SETTORE/Numbered seat on the steps 1st sector(階段席前半中央前方/指定席)
・GRADINATA NUMERATA 2SETTORE/Numbered seat on the steps 2nd sector(階段席前半中央後方/指定席)
・GRADINATA NUMERATA 3SETTORE(階段席前方サイド/指定席)
・GRADINATA(階段席後方/自由席)C,D, E,F

階段席からの風景。パンフレットの売り子もいて野球場にいるような雰囲気。

チケット

【前売り券】
チケットはオフィシャルサイトを通じて購入が可能です。チケットレス形式(Eチケット)なので、購入後にメールで送られてくるPDFファイルを印刷して持っていけば現地でのチケットの引き換えなどは必要ありません。
購入サイトが英語で登録などが面倒、という方はTutta Italiaにお問い合わせ下さい。

【当日券】
アレーナの会場近くにあるボックスオフィスで購入が可能です。演目の初日や楽日、有名な歌手が出演する日などは完売することもあるので、確実に観たい人やできるだけいい席で観たい人は前売り券を買っておきましょう。

BOX OFFICE
公演当日の営業時間:10.00 am-9.00 pm
公演がない日の営業時間:10.00 am-5.45 pm(2018年現在)

©Foto Ennevi/Fondazione Arena di Verona

雨が降ったらどうなるの?

悪天候時には公演は中止となります。ただし、開演した後の払い戻しはありません。主催者は最大限、開演するための努力をし、最大で150分開演が遅延となることがあります。雨が降ったら上演が停止、雨が止んだら再開、ということもあるようです。ちなみに、アレーナ・ディ・ヴェローナの歴史上、チケットの払い戻しになったことは一度もないという噂……。イタリアの夏はあまり雨が降ることはないのですが、夕立に備えて雨具(合羽やポンチョ)は用意しておきましょう。

持っていくと便利なもの

長袖の羽織るもの

夜から深夜にかけてはどんどん気温が下がります。長袖のカーディガンなど羽織るものを1枚持っておくと便利です。夏場のヴェローナは湿気が多く、イタリアでは珍しく蒸し暑いです。夜になると汗が冷えて寒く感じることも。下着やTシャツは、乾きづらいコットン製のものよりも、アウトドア用の速乾性のある化学繊維(ポリエステルなど)のものがベストです。

クッション(階段席の方)
階段席は、石段にそのまま座るので下がかなり固いです。3時間を超える長丁場となるのでクッションがあると比較的楽に観劇することができます。空気を入れるタイプのクッションは、会場外の露天で売っていたり、会場内にて有料でレンタルすることもできます。とはいえ、クッションがあるといっても石段に3時間以上座るのはきついので、腰痛持ちの方は、できれば椅子席を選ぶようにしましょう。

日本語のあらすじ
もちろん日本語の字幕はないので、事前にあらすじを読んでおくと、話の筋がわかってより深くオペラを楽しむことができます。あらすじを頭にいれつつ、歌い手の美声やオーケストラの演奏を楽しみましょう。