トリノといえば、イタリア建国に際し、最初の首都となった街。王宮には世界中の名品、逸品が集まりました。その時代に希少だったカカオも例外ではなく、飲み物から始まり、食べるチョコレートへと変貌を遂げ、時代を超えて愛され続けることとなります。そんな歴史あるトリノとチョコレートの関係。スイスにチョコレート技術を伝授したのはトリノの職人であることも明かされています。
王族、貴族にもこよなく愛されたチョコレート。気品あふれるトリノの街では、チョコレート祭り、CIOCCOLATO`(チョッコラート)は、昔から地元の人に愛されるお祭りとして開催されていましたが、2年前から主催者が変わり、広報やイベントにも力を入れ、お祭り感がより一層高まっています。
入場料も無料のこのイベントは、昔から“トリノのサロン“と呼ばれる街を代表する美しい
サン・カルロ広場と、トリノのメインストリートであるローマ通りに露店が並びます。その場で購入できるので食べ歩きやお土産にもぴったりです。
やはり、トリノに来たら、トリノで生まれたジャンドゥイオットは是非ご賞味ください。
ジャンドゥイオットとは、カカオの入手に制限がかかった時代、ピエモンテ州の特産物であるヘーゼルナッツをすり潰し、カカオと混ぜ合わせて作った苦肉の策の一品です。それが、現在では功を奏し、世界中で愛される一粒のチョコレートとなりました。ローストしたヘーゼルナッツとカカオのアロマは格別で、味はもちろん、ボートを逆さまにしたような、と例えられる三角形の愛らしいフォルムは、一度手に取り、味わってみると記憶に残ることでしょう。
チョコレートブースが並ぶ一角に、チョコレート細工に勤しむ職人さんの姿も。
作品は、写真手前に移っている模型にもあるトリノのシンボル、トリノタワー。
正式名は、モーレ・アントネッリアーナといい、現在は、映画博物館になっています。
食と芸術のコラボレーションも自然と溶け込んでいます。
お時間のある方は、イベントにも参加してみてはいかがでしょう?10日間に渡り開催されるこのお祭りは、チョコレートに関するイベントが定期的に行われます。参加方法は、当日その場で空きがあれば参加できるタイプのものがほとんどですが、中には、事前に予約のいるもの、費用が発生するものもあります。時間が読めないという方や立見でよいという方であれば、イベントが始まってからでも後ろで視聴することも可能なイベントもありますので雰囲気だけ楽しむのもよいでしょう。
年々、お店の数の増加とともに、チョコレート以外にもケーキやクッキー砂糖菓子など甘いものが軒を連ねるようになりました。
出店者もバラエティーに富み、トスカーナのカントゥッチ。シチリアからは、モディカのチョコレートやカッサータにカンノーロ。そして彩り鮮やかな果物のマジパンも並びます。
お隣おフランスのブルターニュ地方からは、バターたっぷりのビスケット類やマドレーヌも人気があります。
今年2020年の日程は、10月30日~11月8日と決定しました。トリノには、このお祭り以外にも老舗カフェやお菓子屋さん巡りなど甘いもの好きの方には外せないスポットがたくさんあります。どうぞこの機会にトリノへご旅行の予定を立てられてはいかがでしょう?
(記事:YUCA)